どうぶつの作りかた

木でできた動物の写真です。手のひらサイズのウマが6つ、トリが2つ、ゾウが8つ写っています。

MATHRAXのモチーフとなる動物たちの形は、シルエットのデザインを坂本、そのシルエットの立体化を久世が担当しています。


CGで立体にした後はCNCという機械で加工します。MATHRAXのCNCは3軸なので、片面を加工したら、裏返してもう片面を加工します。ゾウの場合は約1日かかります。

木材の加工直後は、刃の削り痕や繊維の毛羽立ちでガサガサしています。そこで、お湯を含ませた布で木のゾウを拭き、表面をふやけさせて、紙やすりで削ります。紙やすりは120番、240番、400番と番号をあげて(番号が高いほど肌理が細かくなります)、手触りや凹凸を指先で確認しながらツルツルになるまで丁寧に仕上げます。手作業なのでひとつひとつ微妙に異なりますが、ここは坂本と久世とで行なっています。


機械による加工は、セットしたら誰でも簡単につくれると思われがちですが、やはり手作業で時間をかける部分がなければ、触り心地のよいものはできないように思います。

また、MATHRAXの機械は生きもののような感じがするのですが、丁寧に手入れをしてあげないと機嫌を損ねて加工に失敗してしまったことがありました。

先日も、CNCのXYZと3軸あるグリス塗布部分に、XとZだけ塗って「Yはまだ塗らなくてもよいかな?」と思って加工し始めたら異音がしてしまいました。加工を中断してYにも塗ってあげると治りました。機械は何もしゃべってくれないので、丁寧に接してあげないといけないなと反省しました。 

MATHRAXでは、コンピュータや機械をつかっても、温かみを感じる作品になるように心がけています。